Feeling５

単の上から、ぎゅうっと抱きしめられると、永泉はそれだけで夢見心地になってしまう。

つよい力にさらされることなど、ほとんど経験がなかった永泉は、苦しいほどに抱きしめられる幸せを、泰明によって知らされた。

「永泉・・・」

甘くかすれたささやき声と、全身を浸し、やがて下肢に集まってくる快感。

「ん・・・・ふ・・・やすあきどの・・・」

今夜はいつもの膝に抱き上げられた姿ではなく、泰明を見上げるかたちで床に寝かされているので、少し背中が寂しい。

それを補うように一生懸命泰明にしがみつくと、更に強く抱き返してくれた。嬉しい。

脚を撫でさすっていた手が、ゆっくりと上がってきて小袖の裾を割った。

「なんだ、もう染みているのか」

「え・・・あ・・・」

羞恥に身を竦めるのに、それは遠慮もなしにいっぱいに膨らんで、先端に雫を滲ませている。

それを口に含まれ、舐められて、永泉はいつものように高い声をあげて達してしまった。

「美味い」

いつものように、脚の間から喉を鳴らす生々しい音と感想が聞こえ、永泉は身をふるわせた。

「美味しくないです・・・」

いつものように答えると、いつものような無表情の泰明が顔を上げる。

「美味い」

そうして、ちゅうっ、と永泉の唇に吸い付いた。

唇を割って、先ほどまで永泉のものを弄んでいた舌が、永泉の口の中を舐め回す。

自分の味を無理やり味あわされて、すごく嫌なのに、泰明の舌はすごく気持ちよくて、永泉は事態を忘れてうっとりしてしまった。

「ん・・・ふ・・・」

ようよう離れた唇の間を、透明な糸がつぅっと引いている。

その淫らな様子に思わず顔をそむけると、その糸が頬に張り付いて、いっそう永泉はいたたまれなくなった。

「美味くはないか？」

「や、泰明殿もご自分のは美味しくないと仰っていたではありませんか・・・」

追い討ちのような問いに、震える声で答えた永泉に、本っ当に悪気のなかった泰明は頷いた。

「なるほど」

そうして、永泉が好きなように、きゅうっと抱きしめて、手のひらだけじゃなく、もう腕全部で撫でてやって。

「すまなかった」

耳元で、暖かい息と共にささやかれて。

それがいけないのはようくわかっているのに、永泉はあっさり蕩けて、今夜も泰明のいいように。

「今度は、私の番だな」

「・・・・・・・はい・・・」

それでも幸せな自分が、ちょっと恥ずかしい永泉だった。