あすランさんとおやつｖ

シンは子わんこです。
ご主人様大好きな子わんこです。
クリスマスに、ご主人様のお人形、「あすランさん」をもらった子わんこです。
サンタさんにもらった、大事な大事なアスランさん。
いつもいつも、一緒ですよ。


今日のおやつはアイスクリーム。
バニラアイスに、チョコソースとホイップクリームのトッピングｖ（糖分カットのチョコと植物性油脂の低カロリークリームで嵩を増やしたんだ！by旦那様）
チョコが苦いなぁって思ったけど、ご主人様が
「オトナの味だな」
って言ってたので、シンも大満足です。
俺って、オトナー！


オトナのシンは考えました。
美味しい美味しいアイスなおやつ。
お部屋で待ってるあすランさんにも食べさせてあげたいな。


シンは、アイスのお皿を持って、ててーっとお部屋へ戻ります。
「シン！どこ行くんだ！」
「行儀悪いぞ小僧！」
ご主人様と旦那様が言いますが、いい考えで頭いっぱいのシンは、聞いちゃいません。
「あすランさん、アイス食べるよね！」
ベッドに座ってたあすランさん、こっくり頷いたみたいです。
だからシンは、ホイップクリームたっぷりのアイスクリームを、あすランさんのお口へスプーンで運んであげました。
「あーん」
シン、ご主人様に「あーん」ってしてもらうの、大好きですからね！
お口をクリームだらけにしたあすランさん、美味しかったかな。
「あのねチョコもあるんだよ！」
今度は、チョコソースたっぷりのところも、「あーん」。
あすランさんのお口は開かないんだけどね。
だから、あすランさんのお口は、クリームとチョコソースだらけ。
ちょっとお行儀悪いかな。
こういう時は、ねｖ
「舐めてあげるよ！」
シン、ご主人様がお行儀悪くお口にクリームつけてる時は、すぐに飛んでいってぺろぺろしてあげるんだよ。
だから、あすランさんのお口もぺろぺろぺろ。
いっぱい舐めたよ！
でもね。
あれ？
アイスクリームとホイップクリームはすぐになくなったんだけど、チョコソースはなかなかなくなりません。
どんなにいっぱいぺろぺろしても、なかなかなかなか落ちません。
あれれ？
お口が汚れちゃったあすランさん。
なんだかとっても悲しそう。
そうだよね。
お口汚いの、お行儀悪いもんね。
かっちょ悪いもんね。
どうしよう・・・・
シンが、うぐ・・・ってなっちゃった時、お部屋のドアが開きました。
「何やってるんだ、シン」
ご主人様の登場です。
いつもはなんだか情けないけど、こういう時は頼りになるんです！
「あすランさんのお口がよごれちゃったよう！なんとかしてよー！」
「あー、それは・・・汚れるよな・・・・」
「馬鹿か、貴様は」
「馬鹿じゃないもんー！」
後ろからやってきた旦那様にシンはがうがう吠えちゃいます。
「とりあえずシン、そのアイス、食べるか冷凍庫に入れとけよ。溶けるぞ」
「わーーっ！」
アイス溶けちゃうー！
シン、おぶおぶしてから、慌ててアイスを食べました。
「犬食いするな！」
旦那様に怒られちゃったけど、知ったことじゃありません。
「しょうがないな・・・ほら、洗ってやるよ」
シンがアイスを食べてる間に、ご主人様が、あすランさんをひょいと抱き上げました。
「持ってっちゃやだーー！」
「・・・・」
「・・・・」
がばっとお皿からお顔を上げたシンを見て、旦那様がちょっと黙ってから言いました。
「どうせなら両方洗ってやれ」
「そうだな。・・・じゃあシン、来い。あすランさんと一緒にお風呂に入ろう」
慌ててアイスを食べたシンは、お口からあごからお胸から。
べたーっとアイスがついちゃってます。
あすランさんとお揃いのチョコソースもね。
べたーっ。
「一緒？」
「ああ」
「アスランさんも？」
「俺の方か？ああ、じゃあ一緒に入ろうか」
三人でお風呂！
お風呂はあんまり好きじゃありませんけど、大好きなアスランさんと大好きなあすランさんと三人なら、ちょっと違います。
シン、たちまちご機嫌になって、たたーっとお風呂に走ります。
「アスランさん、早く早くーー！」
ご主人様、くすくす。
旦那様、ため息。
「ついでにちゃんと教育しとけ」
「わかったよ。でも」
ご主人様は、あすランさんをぷらんと持ち上げて言いました。
お口が汚れちゃったあすランさん。
その前で、うぐうぐうぐうぐしてたシン。
「可愛いよなぁ・・・・」
そうやって、にこにこしてる奥様のほうが、よっぽど可愛いと思いましたが、旦那様はそんなことは言いません。
「さっさと行け」
代わりにぱこんと、藍色の後ろ頭をひっぱたきました。
「何するんだお前！」
ご主人様、ばこんと旦那様をひっぱたきました。
「だから行けといってるだろうが！」
ドメスティック・ウォー、勃発。


あすランさんに、おやつはダメ。
お人形だからね。
それをシンが納得するまで、これと同じようなことが、あと３回ありましたとさ。

あすランさんをもらったばかりの頃の出来事と思われ。
このお馬鹿ちゃんー！

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