甘い
目の前で、白い裸体がなまめかしく揺らめくさまを眺め、英治は満足そうに目を細めた。
「ふっ・・・・ぁ」
時折、堪えきれないといったように声を漏らしながら、英治の快楽に奉仕する玲二。
それは、英治を十分に満足させ。
そうして、十二分に興奮させた。
「・・・玲二」
その興奮に上ずった声で玲二の名を呼んで、英治は引き締まった玲二の腰に、ゆるりと手のひらを置いた。
汗に吸いつく肌が、気持ちいい。
「っぁ」
その刺激に感じたのだろう。ちいさく喘いだ玲二にそそられて、そのまま、上下する腰をねっとりと愛撫する。
「えい、じ」
ふる、と、玲二の体が震え、伏せられていた瞼が僅かに上がる。
英治を飲んだナカも、締め付けるような動きを見せ、しかし、気持ちよく擦り立てていた動きは止まってしまった。
「やめて、くれ」
「どうして？」
間髪入れずに聞き返し、動きを止めたことを咎めるように、掴んだ腰を軽くゆすぶる。
「っ！」
その刺激に息を詰め、はずみで英治を食い締めながら、玲二は震える息を吐いた。
「・・・集中できない、から。だから」
やめてくれ、と、再び、目を伏せて乞う。
重ねて喘いだ唇は、ぬらぬらと濡れて、どうしようもなく淫らだった。
「しょうがないナァ、玲二は」
衝動に抗わず、英治は自分の上に座り込んでしまっていた玲二の肩を掴み、そのまま腰を押しつけて、乱暴に押し倒し、体勢を変えた。
「あ・・・っ」
固くたぎったままの英治に手ひどく中を抉られて、感じやすい玲二は耐え切れずに喘ぐ。
そんな玲二を見下ろして、英治はニコリと笑って見せた。
「じゃあ、ボクが動いてあげる」
渋る玲二に、無理矢理奉仕させるのもスキだけど。
こうやって、自分の好きなように犯すのも、もちろんダイスキさ。
「えい・・・っ、や、あ、あ、あっ！」
深く深く突き込んでやれば、甘い甘い悲鳴が上がった。
玲二に、こんな声を上げさせることができるのは、自分だけ。
びくびくと震えるナカの感触と相まって、それは英治の独占欲を、十分に満足させた。
「え・・・いじ、もぅ」
許しを乞うような玲二の声。
英治の腹に触れる玲二のものが、ぴくりぴくりと震えている。
ああ、スゴくイきたいんだナァと思うと、大好きな幼なじみが、余計に可愛く思えてきて。
英治はニコリと笑った。
「イきたい？玲二」
もう、言葉にもならないのか、こくこくと頷く玲二。
その、汗にまみれた耳元に。
「じゃ、後ろダケでイってみようか」
黒い瞳が、大きく見開かれる。
そうしてそれが、ぎゅっと閉じられ、ふるふるとかぶりを振るさまが、また可愛い。
可愛過ぎて。
イジメたくなっちゃうよナァ。
快楽の涙に濡れた目元に張り付いた、長い前髪を払ってやる。
ひくりと震えた瞼が、恐る恐るといったふうに開かれて。
その、黒々と濡れた瞳に懇願の色がありありと乗っている様子を十分に堪能してから、英治は大きく開かれた玲二の脚を抱えなおし、英治を飲んでひくりひくりと震えている、イヤラシイそこに、再び深く、突き込んだ。
「あ、あ・・・・っ」
たっぷりと、奥深くまで英治の飲み込んだ玲二のナカは、既に、小さな痙攣を繰り返している。
それが、ものスゴく気持ちいいんだけど。
これって、軽くイってるんじゃないかナァ。
そう思うと、スゴく楽しい。
「玲二ならイけるよね」
こんなイヤラシイ体してる玲二なら、サ。
ふるふると、大きく振られた黒髪が、シーツに不規則な波を作って、やたらとキレイだった。
何度も何度も、震える襞にこすりつけてやれば、英治も気持ちいいけれど、玲二だってきっとイイ。
「やっ、えい・・・っ」
びくん、と、一度大きく体が跳ねると、もう、首を振ることもできない玲二は、背筋を反らせてしなやかな体を硬直させた。
とたん、とろけた襞に痛いほどに締め付けられて、英治は特に堪えることもなく、玲二のナカをたっぷりと濡らし。
そうして、玲二は。
「っ、あ・・・・・っ」
びく、びく、と、触れられてもいないものから、白い涙をしとどにこぼした。
「・・・玲二、締め過ぎ」
ぺちぺちと、わざと音を立てて玲二の腰を叩くと、びくりと震えたそこは、一度緩んでまた強く締めてきた。
そんな様子に苦笑しながら、英治は玲二を誉めてやる。
「でもマア、イけたんだから誉めてあげるよ」
元から赤く染まっていた頬が、更にさっと赤みを増した。
はぁはぁと、荒い息をこぼしていた唇が、一度、きゅっと閉じられて。
「・・・えいじ」
やっと、といったふうになを呼ばれるのは、なんて気持ちがいいんだろう。
英治はひどく寛大な気分で、やさしく玲二に問いかける。
「ん？なんだい？」
そうすれば、玲二の腕がゆるりと伸びて、繋がったままだった英治の首に絡みついた。
強請られるままに口付けて、
自分を、じっと見ている玲二の瞳は。
濡れてとろけていたけれど、それでも炯々として艶やかだった。
うん。
だから玲二って大好きさ。
その色に満足し。
英治は、口付けたまま、再び玲二の体を蹂躙しだした。
自分の上で、欲望のままに振る舞う男を。
黒々と濡れた瞳が、ひたひたと見上げていた。