シンアス10のお題Ｂ　　18禁ver.


１．キス

体を繋げていても、キスはまた、別。

「っ、だ、め」
突き出された手のひらが、鼻に当たってかなり痛い。
「いいじゃないですか、キスくらい」
今、オレたち何してるかわかってます？
ぐい、と、腰を押し付けて。
「ぅあ・・・っ」
小さな悲鳴を上げさせて。
「イイでしょ」
「駄目っ」
逃げようとする体を押さえ込み、きゅうっとキツくなるそこに深く突き込むと、シンは嫌がるアスランの唇に、無理やり自分のそれを合わせた。
濡れた感触、意外な熱さ。
それから。
「・・・・・っ！！」
広がる、鉄の味。
「熱烈ですねっ」
唇に血の紅を刷き、睨む翡翠の鮮烈な光。
ゾクゾクする。
「こ、の・・・・っ、あ・・・・っ」
激しく腰を扱われ、曝した喉に噛み付かれ。
深さを増す悦楽の中、それでも、思う。
体を繋げていても、キスはまた、別。
それまで、この子供にくれてやる謂れはない。


２．雨

雨の匂いの残る髪に、鼻先を埋めながら、シンは何度も何度も愛しいひとを突き上げた。
「ん、あ・・・・っ」
冷えていた肌はすっかり熱くなり、シンを受け入れて甘く香っている。
忙しない喘ぎに遠く雨音が混じって、世界に、その音だけが満ちているようだ。
「アスラン、さん・・・」
呼べば、うっすらと瞳が開く。
天の恵みよりも、遙かに尊い雫を溢しながら。
「シ、ン・・・」
かすれた声で、応えてくれるから。
「アスランさん・・・・・」
世界に、この人だけ、いればいいと思う。
このぬくもりだけ、あればいいと思う。
雨が、止まなければいいと思う。
この人の声だけ、聞いていたい。
極まって痙攣を繰り返すそこを、熱いもので濡らしながら、シンは思う。
雨が止むまでは、この人は、オレのもの。


3.待ち合わせ

「遅れたお詫びに、今日はガンバリます」
そう言うと、アスランはナチュラルに首を傾げた。
「ああ、そうだっけ？」
怒るだけ怒って、後は忘れてしまう人だから、気にしていないだろうとは思っていたけれど。
本気で忘れていたらしいその人に、シンは笑って口付けた。
「そうなんです。・・・だから今日は、アスランさんの好きなコトだけ、してあげますよ？」
首筋から髪を払って、まだ薄く跡の残るそこに柔らかく吸い付いて、歯を立てて、感じさせて。
「ん・・・じゃあ、そうしてもらおうかな」
そう言って、艶やかに笑った人のイイところを、そっと、指でたどる。
「は、ん・・・・」
気持ちよさそうな声。もっと、感じさせてあげたい。
待ち合わせに遅刻したお詫びなんて、言い訳。
いつだってオレは、あなたを気持ちよくさせてあげたい。
「で、も。シン」
乱れた息の下、たまらない声が不意をついた。
「おれ、お前にしてもらうこと、全部、好きなんだけどな」
細められた瞳が、甘く濡れて、シンを映す。
ああ、ほんとうに。
この人には敵わない。


4.瞳

君のその赤い瞳に、おれはどう映っているんだろう。
「っ、あ・・・っ」
脚を開いて、君を飲み込んで。
淫らに喘ぐおれは、君にはどう、見えているんだろう。
深く切り込まれ、堪らず身を捩る。
そこを押さえ込まれて、いったん引かれた後に、また、激しく貫かれ。
「あ、あ、あっ、あああっ・・・・」
喘ぎが止まらず、苦しくなって喉を引きつらせる。
その喉に、熱い手のひら。
キスも苦しいのに、たまらなく悦くて。
「シ、ン。シン・・・っ」
名を呼べば、また、あの瞳に映される。

ああ、君のその赤い瞳に、おれはどう映っているんだろう。
君の与える快楽に、ただ、溺れるおれの姿は。


5.喧嘩

英雄とまで云われた青年の蹴りは、エースと云われた少年にも、受け止め難く。
シンは、激しい勢いでベッドから転げ落ちた。
しかし、酷使した腰にもダメージが大きかったのか、毛布から蹴った脚だけ放り出すかたちでアスランも蹲り。
ただ、喘ぎにかすれた声だけが、猛々しく響きわたった。
「嫌だって言ったよな！」
「そりゃ、言ってましたけど！でも悦かったでしょう、あんなイイ声出して啼いてたんだから！！」
「仕方ないだろ、お前とは相性良すぎるんだ！！」
この人、自分が何言ってるのか、わかってんのかな。
シンはその場で胡坐をかいた。
云うまでもなく、裸だ。
ついでに、自分を蹴った脚やら、相性良すぎ発言やら、いや、だいたいにおいてその人の存在そのものに触発されて。
男の体は正直だから。
「お前、ぜんっぜん反省してないだろう・・・・」
地を這うような声さえ、この人はシンを欲情させる。
「仕方ないでしょう、オレあんたが好きなんだから。嫌ならちゃんと抵抗してくださいよ。あんた実は凄く強いでしょうっ！」
がなってシンは、またベッド(リング)に上がる。
第二ラウンド、開始。


6.誘惑

オレは、いつもあなたに誘惑されている。
そう言うと、その人は、笑って。
「そうか？そのつもりはないんだがな」
それでも、優しくキスをくれた。
優しく、ベッドへ誘うキス。
だから。
望みどおりにベッドに背をつけて。
望みどおりその肢体をあらわにし。
望みどおりイイところに触れて。
望みどおり、ナカまで、あいして。

おれは、いつもお前に誘惑されている。


7.バースデー

「今日誕生日だろ、何か、欲しいものあるか？」
って。
そんな子供じゃないんだからと思いつつ、でも、欲しいものはやっぱりあって。
「あなたが欲しいです」
そう答えると、アスランは、ぱっ、と赤くなった。
ああ、やっぱりこの人可愛いと思うと。
もっともっと欲しくなって。
「ねえ、くださいよ」
そう言うと、その人はこくりと頷いた。

オレのためにひらかれた体は、どうしようもなくキレイで。
感じて震える体は、どうしようもなく愛しくて。
どうしようもなく、キモチ良くて。
「最高のプレゼントです」
囁くと、拗ねて他所を向くのがどうしようもなく可愛くて。
さあ。
ふた月後、この人に言うのが、今から楽しみでたまらない。
「今日誕生日でしょう、何か、欲しいものありますか？」


8.唇

甘く濡れた唇が、自分のものを咥えて蠢くのを、シンはたまらない思いで見下ろしていた。
そこからの快感は、若い雄には強すぎて、すぐにでもイってしまいたいのだけれど。
ほんのりと頬を染めて、うっすらと涙を滲ませて。
そんな初心なカオをした人の唇に、自分のモノを含ませている。その眺めが得難くて、我慢する。
「ん、んんっ・・・」
苦しいのか、時折喉を鳴らすから、その刺激が伝わって、シンをますます追い詰める。
でも。
それでも。
「アスランさん・・・もっと、シてくれなきゃ、イけませんよ？」
シンの、欲望の形に膨らんだ、頬をつついて。
その中で、いっそう絡みつく舌を誘って。
その唇を、自分の精で濡らすのは。
もう少し、我慢。


9.海

波の音が、ずっと聞こえるのがいいのだと、その人が言った。
地上に降りてから、ずっと海辺を転戦してきたから。
地上に住んでいた頃は、ずっと海辺で暮らしていたから。
そんなもの、全然気にならなかったのに。

シンに揺らされながら。
快楽の波に飲まれながら。
それでも、そんなことを言う人を、少年はきつく抱きしめた。
「なんで、ですか？」
深く深く繋がったまま、互いの鼓動を聞きながら。
それでもまだ、波の音は聞こえる。
「・・・・きっと、還りたいから、だろうな」
宇宙で生まれた、おれでも。
そう言って、目を閉じたその人から、還る場所を奪いたくて。
シンは、激しくその人を突き上げた。
波の音なんか、聞こえないくらい、激しく。


10.お酒

別に、お酒で酔わせてどうこうとか、そういうつもりじゃなかったんだけど。
ほんのりと頬を染めて、ゆっくりとグラスをまわすひと。
機嫌良く細められた瞳。
色づいた口の端がわずかに上がって。
あんまり、キレイで。
したく、なって。
「ん、んっ・・・」
いつもより、しっとりとした唇に、熱く従順な体。
曝した肌は、既に快楽のさなかにあるような艶やかなさくら色。
「シ、ン・・・・」
揺れる腰の狭間に指を差し込んでやれば、そこはもう、熱く潤んで。
「アスランさん、イイ？」
「お前、はじめからそのつもりで・・・」
怒ってみせる声も、もう蕩けるようだ。
「違いますよ」
そう。
別に、お酒で酔わせてどうこうとか、そういうつもりじゃなかったんだけど。
「あなたが、誘うからいけないんだ」
「この、ばか」
このひとは、唇も肌も、声も髪も汗も精もみんな。
シンを酔わせる、甘いお酒の味がする。


お題配布元

そろそろ申し訳なくなってきた・・・


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