あ・・・あったかい、な・・・・

とろとろ溶けていた意識が、次第に固まっていくように、花月は目を覚ました。

あったかいのは当然で、十兵衛と俊樹に抱きしめられるかたちになっている自分に苦笑する。

俊樹が、無限城に帰ってきて。様子を見に来た花月と、十兵衛と三人で、食事をしてお酒を飲んでベッドになだれ込んで。

からだが綺麗になっているから、先に眠り込んでしまった花月を二人で洗ってくれて、そして取り合ったまま眠ったのだろう。

昔と変わらない。

十兵衛のぬくもりを取り戻しただけでも幸運だと思っていたのに、死んだものと諦めていた俊樹まで、側にいて。

花月は、丁度胸押し付けられていた俊樹の肩を、ぎゅうっと抱きしめた。

幸せ、だなぁ。

くすくすと、笑うと。

「こら、何をしている」

背後から低い声がして、腰に絡み付いていた腕に、きゅっ、と力がこもった。

「うん？幸せだな、って思って」

正直に答えた花月は、ぐりぐりと後ろ頭を十兵衛の顎に擦り付ける。

「幸せだと、雨流に抱きつくわけか？」

不機嫌そうな十兵衛の声。

「なんだ、妬いてるのかい？」

くすくすくす。

「うるさい」

きゅうっ、と、十兵衛の腕に、もっと力がこもって、花月はその意図を察し、少し、慌てた。

「十兵衛・・・まだするの・・・？」

もう、朝なのに。

「ここが、欲しがる限りはな」

するりと双丘を撫でられて、花月はかあっと赤くなる。

「そんなの、どうしてわかるんだ・・・っあ、あんっ・・・」

硬い指に狭間を押し広げられ、昂ぶりを押し込められて、ちいさく呻いた花月は、俊樹を更にきつく抱きしめた。

「・・・かづき・・・・・・？」

寝ぼけ声の俊樹も、すぐに状況に気がついた。

「筧、貴様しつこいぞ」

「花月が欲しがったんだ」

「そんな、ぁ・・・こと、ゆってな・・・っ、ぁん」

「そう言う割には、何もしてやらなくても入ったな。気持ちいいだろう」

「あ・・・・ぁ、ばかっ、じゅうべ・・・んんっ」

他の男の所業に、淫らに喘ぐ思い人を腕の中に収めているだけに耐えられなくなったらしい俊樹が、花月の唇を塞ぐ。そして同時に、昂ぶりだした場所を緩やかに追い詰め出した。

「んっ・・・んんっ・・・っはぁ・・・ばか・・・っ、ふたりとも・・・・っ」

蕩け切った声で罵倒されても、怖くともなんともない。

十兵衛のものが、中でいっそう張りつめるのがわかる。

キスから徐々に下がっていた俊樹の唇が、花月のものを含んで甘く弄る。

開放された唇は、しかし今度は十兵衛に奪われて。

朝に似合わない、粘つく水音。

自分の体が立てるそれに、頭の芯から、犯される。

どうして、こんなふたりが好きなんだろう？

考えてみても仕方ないコトを、快楽の向こうに押しやって、花月は甘くすすり泣いた。

そうしたらもう、気持ちいいのがぜんぶで。

三人で過ごす朝は、とっても、幸せなのだった。

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