『サイコーのプレゼントでした』
『Merry Christmas!』
そう書かれたカードの付いたプレゼントを手渡され、シンはぽかんとしてレイを見た。
「ギルからだ」
そう言うと、レイは彼の分と思しき包みを持って、自分のスペースへと行ってしまう。
「え、あ、議長から？」
「ああ」
こくりと頷いたレイは、大切そうに包みを机の上に置いた。
シンは慌ててカードをひっくり返した。確かに、ギルバート・デュランダルの署名がある。
シンは、天涯孤独の身の上だ。クリスマスプレゼントなんか、一体何年ぶりだろう。
『アスランと一緒に開けるように。出来ればレポートをしてくれたら嬉しいね。メリークリスマス』
カードには、そう直筆で書かれてあった。
「レイ、俺、隊長んとこ行ってくる。これ、アスランさんと開けろって書いてあるから」
「そうか」
また、こくんと頷いたレイに背を向けて、シンはスキップでもしそうな勢いで、アスランの部屋へと向かって行った。
「アスランさん、います？」
シンの恋人は、フェイスで隊長で挙句に貧乏くじ引きで、要は、とても忙しい人なのだ。
シンが暇だからといって、彼が空いているとは限らない。
しかし、アスランは丁度部屋に戻っていて、しかもシャワー浴びたてのいい匂いをさせて、バスローブ姿であらわれた。
「ああ、入れよ。ちょっと待て、着替えてくるから」
「別にいいですよ。俺たちの仲でしょ？・・・・あ、これ、議長からクリスマスプレゼント。あんたと開けろって」
シンが嬉しそうに見せてくれたのは、小さめの工具箱ほどの大きさの、キラキラとした包装紙に包まれた、箱らしきものだった。
「議長から？」
とたん、アスランは嫌ぁな顔になる。
「はい。いい人ですね、議長」
しかしシンはそれに気付かず、にこにこしながら待ちきれないとばかりに包装紙を開けだした。
「お前、ああいう大人になっちゃ駄目だぞ・・・」
「なろうったって、なかなかなれませんよ。最高評議会議長ですよ？」
「そういう意味じゃない」
ぶっちゃけ、彼のセクハラ被害に遭っているアスランは、深い深いため息をついて、しかし怖いもの見たさでシンの開ける『プレゼント』とやら覗きこんだ。
「うわぁ」
「・・・・・」
そうして現れたのは、アスランが想像していた、ほぼ最悪に近い物体で。
「捨てろ、今すぐ捨てろ！！」
「えー、いいじゃないですか、せっかくくれたんですよ、使いましょうよ」
「嫌だ！」
「あ、コレ俺よりでっかい。アスランさんも、このくらいでかい方がいい？」
「よくないっ！」
箱の中身は、いわゆる『大人のオモチャ』。
しかも、経験浅い二人には、特大サイズに見える男性器をかたどった代物だった。
バッテリーとリモコンも付いている。動くのか？これ。
「でも、ちゃんとレポートしろって書いてありますよ」
「『レポートしてくれたら嬉しい』だろ！ちゃんと読め！！」
「そんなに嫌ですか・・・？」
しゅんとしたシンに上目遣いで見上げられ、アスランはうっと言葉に詰まった。
アスランは、シンのこの目に弱い。
なんだか、何でも言うことを聞いてやりたくなってしまうのだ。
それを人は、惚れた弱みと言う。
「俺、ちょっと不安だったんですよね。ちゃんと満足させてあげられてるかって」
「してる、満足してる！」
だいたい、アスランはシンしか知らないのだ。シンに与えられるものがすべてで、他はない。むしろ、要らない。
しかし、それをちゃんと言えるほど、彼は饒舌でも器用でもなくて。
「俺の、あんたのと比べたって、やっぱちょっとだけ小さいし」
「ちょっとだけ？」
小さな見栄に、二人、思わず固まって。
「だから、大きい方がキモチイイんじゃないですか！？」
「いい！待つから、お前大きくなるまで待つからっ！！」
自分の墓穴を埋めようと、必死のアスランのセリフは、何気に凄く嬉しいけれど。
「でも、大きくなるとは限らないじゃないですか！」
「ならなかった時考えろーーーっ！」
アスランの叫びは、しかしシンにきっぱりと無視されてしまったのだった。
「あ、ローション付いてる。よかったですね、そろそろ、どこかで買い足さないといけないと思ってたんです」
「そのローションだけ使うというのはどうだ・・・？」
「ダメですよ。・・・えっと、あんたの準備のが先かな。アスランさん、脚開いて」
「嫌だ」
「我侭言わないでください」
バスローブを剥がされて、ベッドで素肌を曝しているというのに、まだぐだぐだと言うアスランの脚を、シンはブチ切れ気味に掴み上げた。
「往生際悪いですよ。ほら、脚開く、そこ見せる！」
がばりと両足を開かれて、一瞬本気で蹴り飛ばそうかと思ったが、以前それをやって本気で泣かれているので、アスランもあまりやりたくない。
ていうか、今は俺が泣きたい。
「あ、なんかいい匂いするコレ。いつもの安物とは違うなー」
「いつも安物使ってるのか？・・・んぁ、ン」
「基地だと安いのしか売ってないんですよ。・・・・ここ、イイ？」
「ん、あ・・・」
答えず喘いだアスランの色香に、シンは目的を忘れてさっさと突っ込みたくなった。
でも、我慢ガマン。
「ぁ・・・シン、なんだ・・・か、熱っ・・・・」
「あ、ホントですか？媚薬成分入りって書いてあるけど、効いてんのかな」
「ば・・・っ！」
とたん、起き上がりかけたアスランを、カウンターでシーツに沈めて。
媚薬の熱で、体の芯を侵されたアスランは、なす術もなく沈められて。
「っあ・・・・っ」
「すっげー、中も吸い付いてきた。随分やらかくなったし、もう突っ込んじゃっても平気かな？」
無邪気に残酷なシンの言葉に、アスランは泣きながら懇願する。
「待っ・・・まだ、もう少・・・し」
潤んだ瞳で縋るように見上げられ、シンはごくんと生唾を飲んだ。
「もう少し・・・緩めてから？」
「んっ・・・」
こくこくと頷くアスランに、やさしくキスをしてやって。
シンは媚薬入りのローションを、たっぷりと足して、そこにぐいぐいと塗りこめていく。
そう。
強くてカッコイイ隊長を、ベッドでこんなに可愛くなるように仕込んだのも。
ココで、こんなに感じるように教え込んだのも、ぜんぶシン。
このイヤラシイ体は、シンのもの。
「気持ちいい？」
「んっ」
「もう大丈夫？」
「ん、んっ」
頷き続けるアスランは、果たして何を言われたかわかっているのか。
シンはくすくす笑いながら、議長にもらった『オモチャ』にも、ぬるぬると滑るローションを、たっぷりとかけた。
もともとグロテスクな形だったのが、ぬめりを帯びるといっそうグロく、イヤラシく見えて来る。
なんか、ホント大きいし。
アスランさん、大丈夫かな？
今になって心配になってきて、シンはもう一度、アスランのソコに触れてみた。
「あ・・・ン」
くねる腰、シンの指を、まるで誘い込もうとするかのような入り口。
濡れた瞳がちらりとシンを見上げて。
「シ・・・ン」
そう、呼んだ。
ああ・・・大丈夫かも。
それでもう、シンのためらいは消えた。
今はそれより、この人を苛めたい。
このイヤラシイもの突っ込んで、この人が泣きじゃくるとこ、見たい。
「入れますよ、アスランさん」
「ん・・・」
くったりと言いなりになった体をうつ伏せにさせて、腰だけを高く上げさせる。
それだけでも、すっごくヤらしい眺めなのに。
その狭間を犯そうとしているのは、グロテスクな形をした大きなオモチャ。
「俺じゃなくて、コレ」
「え・・・？」
いつもよりずっと大きくて冷たいモノを、敏感な場所に押し付けられて、アスランはやっと、状況を把握した。
遅い。
「ひっ・・・やぁっ・・・・」
「大丈夫、ちゃんと入ってますよ」
アスランのソコは意外と柔軟で、オモチャはずぶずぶと入っていって。
その見たこともないイヤラシイ眺めに、シンはもう、夢中になった。
「やぁっ・・・・」
「大丈夫・・・だって、あんた感じてんじゃん」
そう、オモチャを後ろに突っ込まれながら、アスランのものはしっかり立ち上がり、とろとろとその先端から透明な雫すら光らせている。
「あ・・・はんっ・・・・・」
「俺知ってんだ、あんたマゾだもん、こういうの、意外と好きでしょ？」
「ちが、あっ、ああっ・・・」
「だってここ、そう言ってないし。ほら、全部入りましたよ」
どうやら、ここまで、という印らしい、大きく張り出した部分まで入れ切って、シンはその姿を堪能する。
ああ、でも、途中までの方がエロかったかも。
思って、ぐいっと引き抜いて。
「ああっ」
啼いたアスランが、可愛い。
半分飲んでるソコも可愛い。
「あ、スイッチスイッチ。充電してあんのかな？」
「やっ、やめ・・・っ、ぅあ、ひぃン・・・・」
なにせ半分出ているものだから、ソレがどういう動きをしているのか、見ているシンにもよくわかる。
「え・・・でもこれ、まだ『弱』ですよ」
言って、ぎゅーっと、また奥まで含ませてみたら。
「やっ、あっ、ああっ！」
びくびくと体を跳ねさせて、アスランはあっさりとイってしまっていた。
「やっ、あ・・・・・」
それでも止めてもらえないソレに、アスランは泣きじゃくり。
それなのに、飲み込んだソコは意に反してうごめいて。
「じゃあ、次は中・・・」
「やあっ！」
それでも、必死になってアスランは声を上げた。
「シン、シン！シンが・・・シンっ！！」
シンがいい、こんなオモチャじゃなくて、シンがいい。
「アスランさん・・・」
必死になって自分を求めるアスランに、シンはなんだか感動してしまい。
「俺のが、いい？」
「んっ・・・シン・・・っ」
頷いた人の赤い唇に、ちゅ、とキスをして。
「じゃ、抜くから・・・力抜いてよ、アスランさん」
「やっ・・・で、きな・・・スイッチ・・・・」
「あ、そっか、すみません」
やっと動きを止めてもらって、安堵の息をついた隙に、ずるり、とソレを抜き取ってもらって。
「シ、ン・・・」
「はい」
無理やりに振り向いたその人の、蕩け切って濡れた、翠の瞳。
それがあんまり可愛くて。
シンは、今度は自分で。
沢山たくさん、恋人を苛めてあげたのだった。
報告書
『サイコーのプレゼントでした』
シン・アスカ