俺の格好いい恋人
最近、シンは格好良くなったな、と。
アスランは、漏れそうになる喘ぎを逃がしながら思った。
アスランの上で動く体は、まだ、「逞しい」という言葉は似合わないが、それでもまだ細い骨格にしなやかな筋肉がついて。
それが、動いて。
それで。
「あ・・・・・っ」
我慢しきれず漏れた声に、アスランの胸に熱い息をこぼしていた薄い唇が、にいっと笑う。
真っ赤な瞳が、きらきらと、輝く。
「気持ちいい？アスランさん」
頷こうとしたところで、深く、深く侵入られた。
「あ、あっ！」
あまりの気持ちよさに声が上がり、そうしてまだ少し細い肩にすがりつく。
手のひらに吸いつく、モンゴロイド特有の滑らかな皮膚。その下に感じる、硬い骨と、躍動する筋肉。
そこに額をこすりつけると、体のナカを穿つものと、同じ鼓動が聞こえてきて。
吸い込んだ息に、シンの汗の匂いが強くなって。
「ぅ、あんっ」
余計にたくさん、シンを感じて、アスランの体は一度、軽く達した。
さざめく襞の締め付けと、上がった高い声で、それがわかったのだろう。
シンは一度、ふ・・・っと深い息をついて、それのもたらす強い快感の波をやり過ごし。
そうして脚を押さえていた手が、片方、アスランの首筋の回された。
「アスラン、さん」
耳元に吹き込まれる、熱い吐息。
それを感じた耳朶だけでなく、体全部に響く声。
体の中心の、熱い塊。
それを感じて、浅ましくひくつく自分のナカ。
シンの指が、首筋を滑って。
髪の間に入り込み、そうして、強く引き寄せられる。
・・・たまらなかった。
「シン、シン・・・っ」
愛しい体に、力いっぱいしがみつく。
一瞬、顔を歪めたシンは、それでもその力に応えるように、一生懸命動き出した。
「あ、ああんっ！」
熱い襞をかき分けて、奥の奥まで入れてやると、もうそれだけでイきそうに、しなやかな体が戦慄いた。
そこから一息に引き出せば、引き留めるように収縮する肉と、まとわりついて離さない粘膜。
それを幾度も繰り返せば、アスランの熱さと気持ちよさで、シンはいっぱいになって。
それはもとより、アスランも、同じ。
きゅうきゅうしがみついた体のもたらす快楽に、我を忘れて悶えて啼いて。
我慢しきれず中で弾けた少年の、熱いものをそそぎ込まれて。
両足で挟んだその愛しい体を、また、きゅうきゅうと締め付けながら、イった。
「バカ力・・・・」
ぼやいた声に、軽く笑う。
ベッドの上に座り込んで、肩を回すシンの体には、アスランの腕の形に、赤い跡が残っている。
「なんだか肩がみしみしいってんですけど。てゆか普通に痛いし！」
ここ！と、指を指された肩甲骨付近には、シンには見えないだろうが、赤を通り越した、青痣がついてしまっている。
それを眺めたアスランは、それはそうだろうなぁ、と暢気に思い。
「それより、腰は大丈夫か」
一番の懸案事項を聞いてみると、シンは両手を降りあげて、ぎゃんっ！と吠えた。
「大丈夫に決まってんでしょ！」
「そうか」
ならいい、と勝手な理屈で満足し、寝ころんだままだったアスランは。
そのまま、ひょいと手を伸ばし、下ろされかけたシンの腕を捕まえて。
「うわぁっ！」
力任せに引き寄せた。
危うくアスランの上に倒れ込みそうになり、慌ててベッドに腕を突っ張って体を支えたシンは、そのままぐしゃぐしゃと髪をかき回されて、ふるふるふると首を降る。
「やめてくださいよ」
アスランに頭を撫でられるのはとっても気持ちがいいのだけれど、子供扱いされているようで、やっぱりちょっと、癪に障る。
「だってお前、俺が力いっぱいしがみついても、もう大丈夫だろ？」
そう言ったアスランの、悪気のまったくない笑顔。
「なんか、あんまり誉められた気がしない・・・・」
そうぼやいた唇に、ああ、キスがしたいなぁと思って。
アスランはまた、乱暴に、シンの体を引き寄せた。
また、倒れ込みそうになって慌てたシンは。
それでも、とびっきりのキスをしてくれた。