仲良しｖｖ
カガリのお母さんとお父さんは、とっても仲良しです。
ほんとはお母さんとお父さんじゃなくて、お兄ちゃんとその旦那さんなんだけど、どー考えてもソレおかしいから、お母さんとお父さんでいいのです。
お母さんはアスラン、お父さんはシンっていいます。
カガリはふたりとも大好きです。もちろん弟のキラも大好きです。
さて、話は戻りまして。
仲良しのアスランとシンは、今日も、居間のソファで仲良くしています。
ほんとはカガリも一緒に仲良ししたいけど、我慢です。
だってね。
あれは、オトナの仲良しだって、カガリは知ってます。
なんでかっていうと・・・なんでだろ？
たぶん、本能に入ってるんです。
でも、やっぱり仲良しのふたりが羨ましいなぁって思うので、時々寝室のドアから、仲良しの二人を覗いて、いいなぁって思ってます。
「んっ・・・シ、ン・・・・」
長い尻尾がぱたりとソファの背を叩いて。
それをさわりと撫でてくれた手に、するりと絡みつきました。
「アスランさん、尻尾」
「やっ、ん・・・・」
シンの手の中で、しなやかな尻尾がぴこぴこと暴れて逃げて。
シンの下では、しなやかな体が暴れて・・・逃げ損なって、シンにしがみ付きました。
「もう、あ、ああっ・・・」
逃げられるわけがありません。
だって、アスランの中には、シンがいっぱいに入っているんですから。
いっぱいに入って、いっぱい気持ちよくしてくれているんですから。
「うん。イこう？」
「んっ、んっ」
必死に頷く、シンの可愛い猫。
ぱたぱたとひっきりなしに動く耳に噛み付いて。
「みゃう！」
昔はあんまり聞かせてくれなかった、可愛い猫の声を堪能しながら。
シンは、愛しい人の中で、果てていました。
カガリのお母さんとお父さんは仲良し。
いいなぁ。
カガリも、あんなふうにいつまでも仲良しの人、できるかなぁ。
そう思いながら、そろそろ寝ようと思ったときでした。
「みー」
後ろから、寝ぼけた声が聞こえました。
振り返ると、キラが目をコシコシしながら、こっちに歩いてきます。
「みゃ？カガリ・・・アスランー？」
えーと。
カガリ、困りました。
アスランは、今はシンの上に乗っかって、あんあん言ってます。
とてもじゃないけど、キラを寝かしつけてくれる状態じゃありません。
「アスラーン」
でも、声が聞こえてしまうので、キラはお耳をそっちに向けて、てこてことドアへ向かってしまいます。
カガリは、慌ててそれを止めました。
「アスランはシンと仕事みたいだ。仕方ないから一緒に寝てやる」
いえ、二匹はいつも一緒なんですけど。
「んーー」
でも、寝ぼけキラはそれで納得してくれたみたいです。
「お歌うたお？」
「うん」
「がんだむ・・・」
「がんだむ！」
二匹の尻尾がぴーんと立ちます。
隣では、アスランが一際高く、歌うような声で啼いていました。
二度目の絶頂の後、キスに一生懸命だったシンとアスランは、寝室から唐突に聞こえてきた歌声に、びくりと身を竦ませました。
『もえあがーれー、もえあがーれー・・・・・』
「キ、キラ、カガリ？」
「起きちゃった？・・・って、アスランさん、服着て、服！」
慌てて、裸のまま寝室に駆け込もうとするアスランに、シンは慌ててパジャマを投げました。
シンとアスランは仲良しだけど、アスランとカガリも、シンとキラもとっても仲良し。
アスカさん家は、みーんな、仲良しなのですvv