Happy New Year （ちび）
ちょっといろいろ間に合わなかったので（ちび）ですが、アスラン総受けです。
お好きなカップリングをどうぞｖ
一部R指定程度のものがありますが、お祝いだから勘弁してください（笑
シンアス
ハイアス
ギルアス
イザアス
キラアス（ちび）
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シンアス 素肌に、恋人のぬくもりを感じながら。 ふわふわとした幸せに、包まれながら。 アスランは、うとうとと心地良いまどろみを愉しんでいた。 時折、彼の手が、頬を滑り、髪をくぐり。 此処より深い眠りの淵に、落ちないようにと繋ぎ止めてくれている。 「アスランさん、起きて」 不意に、耳元で囁かれて。 でも、それも気持ちよくて。眠くて。 「アスランさん、起きてくださいってば」 今度はゆるゆると肩を揺らされて、仕方なしに、重い目蓋を開けた。 とたん、目に飛び込んできたのは、少年の赤い瞳。 アスランの脳裏を、心地良く、焼く。 「日付変わりますよ。ほら」 「・・・・ああ」 言われて、頷いて。 しかし、アスランはシンに示された時計など、視界の端にも入れずに。 どこか夢見るように、赤い瞳に見入っていた。 赤は。アスランの、大好きな色。 ぼんやりとしたままの恋人の代わりに、明滅するデジタル表示を読み取って、シンは、その眦にキスをする。 「Happy New Year！ アスランさん。今年もよろしくお願いしますね」 今年も来年も、その次も。ずっと。 その言葉に、ふわりと笑み。 アスランはまた、まどろみの海へと漂い出す。 「ああ、もう。また寝ちゃった」 それでも、眠るアスランの口元には、幸福そうな微笑が浮かんだままで。 シンはその唇にも、キスを落として。 そうして、愛しい人を抱きしめながら、眠りにつく。 今年も来年も、その次も。きっとずっと。 変わらぬぬくもりを、感じながら。 |
ハイアス 深夜だというのに、明るく照らされた海辺の大通り。 色とりどりの人ごみを前に、アスランは思わず足を止めた。 「どうしたんだ？ほら、来いよ」 しかし、すぐに手を取られて。 アスランとハイネは、その人ごみに紛れる。 「お前、もしかしてこういうとこ嫌いだったか？」 「いや」 首を振ったアスランは、苦笑いをして、ハイネの一歩後ろから、隣へと足を進めた。 「嫌いじゃない。でも、そうだな。少し、気後れしてしまうんだ」 同じ軍服を着ているわけでも、逃げ惑っているわけでもない。 それどころか、幸せそうに笑いさざめく、たくさんの人々。 こんな場所を歩くのは、一体何年ぶりだろう。 「なんだ、そりゃ」 軽く笑ったハイネは、しかしアスランの肩を、そっと抱き寄せてくれた。 そう遠くない場所から、何やらイベントの賑やかな声が聞こえる。 街は、ぴかぴかの電飾に飾られて、まるで夢のように綺麗だ。 「でも、これはちょっと恥ずかしいんだが・・・」 肩にまわった手をしげしげと見やり、ほつりと呟いたアスランに。 「誰も見ちゃいないさ」 そう耳元で囁いたハイネは、そのまま、頬に唇を寄せた。 やがて、カウントダウンの声が聞こえて。 天高く、花火が上がって。 「Happy New Year！」 優しい人の腕の中で見た、この、美しい空を。 アスランは、きっと一生忘れないと思った。 |
ギルアス なんで、自分はここにいるんだろうと、思わないでも、ない。 「シンたちにレイを取られてしまってね。そういうわけで、今夜はひとりなのだよ」 それは理由なんだろうか、と、思わないでもない。 「君なら絶対空いていると、タリアが言うものだからね。どうやら、本当のようで嬉しいよ」 そう言って、ギルバートはアスランのグラスに、赤い液体を注いだ。 確かに、今日は仕事が終わったら、新しいハロの続きでもやって、でもうっかり夢中にならないうちに寝ようとか、そんなことを考えていたのだけれど。 「誰か、他に気の利いたお相手はいなかったんですか？」 頬を撫でるギルバートの、冷たい指。 「おや、迷惑だったかな？」 カケラも信用できないというのに、耳にすれば気持ちいい、深い声。 「そういうわけでは、ありませんが」 「ならば、付き合ってくれたまえ」 軽く笑った唇が、頬に触れて。 アスランは、目を閉じる。 もう、自分は、この人に父の幻影を見るほど、子供ではないけれど。 ワインは美味しいし、ここのベッドは広くて柔かいし。 気持ちよくて、暖かい腕はあるし。 今日くらい、この、実は寂しがりな人に付き合ったっていい。 遠くで、花火の上がる音が聞こえる。 目をあければ、時を刻む表示が、すべてゼロに戻っていた。 「Happy New Year・・・」 囁いて。 自分から彼の唇にキスをすると、彼は、一瞬意表を付かれたような顔をして、それから珍しく嘘のない笑顔で、今度はアスランを驚かせたのだった。 |
イザアス 「ああ、日付が変わるぞ」 繋がったままの体、乗り上がったままの男にそう言われ、それどころではないアスランは、大きく首を振って泣き声を上げた。 「やっ、ああっ、イザークっ」 「３、２，１・・・」 しかも彼はご丁寧に、カウントダウンに合わせて、深く腰を動かしてくれる。 「あっ、はっ、ああああっ・・・・」 「Happy New Year」 イったばかりで敏感になっている耳元で、そう囁かれ。 ふるりと身を震わせたアスランは、しがみ付いていた背中を、ばきばきと叩きだした。 「フン、痛くなぞないわ」 実際、快楽に晒され続けたアスランに腕に、力など残っているわけもなく。 代わりに、その翠の瞳で、一生懸命にイザークを睨んだのだけれど。 イザークが、まるで子供のように笑っているのを見て、アスランはなんだかもう、怒るのが馬鹿らしくなって。 闇に光る、綺麗な銀色の髪を掴み締め。 「痛っ・・・」 たまらず、声を洩らした唇に。 噛み付くような、キスをした。 |
キラアス（ちび） 今日も、母さんは帰ってこない。 いつものことなので、あまり、気にはならない。 一体どこの冬に合わせたものか、最近は随分寒いから、風邪でもひかないといいとは、思うけど。 課題をやっていた手を止めて、アスランは時計を見上げた。 コペルニクス時で、年が変わるまで、あと二時間。 でも、おめでとうを言う相手もいないから、もう寝てしまおうかと思う。 片づけをして、セキュリティのチェックをして。 パジャマに着替えたところで、インターフォンが鳴った。 一瞬、予定が変わって母さんが帰って来たのかと思ったけれど。 スピーカーから聞こえた声は、もっと、聞きなれたものだった。 「アスラン、開けてー」 慌ててドアを開けると、キラが寒そうに駆け込んできた。 「寒ーい、なんでここまで寒くするんだろ・・・」 「どうしたんだ？キラ」 寒そうなキラのために、空調を強くしてやりながら、アスランは不思議に思って首を傾げる。 今日も、キラの家で夕食を食べさせてもらった。 その時には、来るなんて言ってなかったのに。 「うん。今日はね、遅くまで起きてても怒られないから、だから、アスラン家に行こうと思って」 それは、どういう理屈なんだろう。 呆れるアスランに、キラは、にこりと笑って。 「アスランに、一番初めにおめでとうって言いたくって」 「・・・・」 いったん、言葉を失って。 それから、アスランは冷たいキラの手を取った。 「泊まっていくか？」 「うん」 「じゃあ、おばさんに電話しなくちゃな」 「うん！」 受話器を取り、キラの家のナンバーを押しながら。 アスランは、何故だかちょっと、泣きたいなと、思った。 アスランのベッドの上、二人で。 布団を被って、じっと時計を見つめる。 「「・・・５、４、３、２、１、Happy New Year！」」 声を上げて、笑い合って。 それから、不意にキラが頬にキスしてきて。 真っ赤になったアスランは、ずるずると布団にもぐり込んだ。 そこは、二人分の体温で。 とても、とてもあたたかかった。 |