僕の彼女は変身しちゃうの
シンの恋人は、変身しちゃうのだ。
今日のデートは、定番の動物園にした。
アスランさんは、可愛いものが大好きだから、ウサギやヒヨコに触れるコーナーに行くと、しばらくそこから動かない。
膝にウサギを乗せて戯れる姿は、なんだかとってもメルヘンチックだ。
「今度のハロには、やっぱり耳をつけようかな・・・」
言ってることはいまいちメルヘンから遠いけど、まあ、いいや。
「資料にぬいぐるみ買ってあげましょうか」
「う・・・」
悩んでる顔、可愛い。
「やめておく。見たかったらまた来るよ」
散々撫でくりまわしたウサギを膝から下ろすと、迷惑そうな顔をしたウサギはびょんびょんと離れていった。
「後足・・・」
なにがそんなツボに入ったのか、食い入るようにウサギの後ろ姿を見つめる可愛い恋人に、シンはやっぱり、ぬいぐるみを買ってあげることに、決めた。
でも。
シンの恋人は、変身しちゃうのだ。
夜は、違う人になっちゃうのだ。
やさしく、シンを含んでくれていた唇が、突然激しくシンをしごきたてだした。
うわ、うわ。
シンは足をばたつかせたいのを、一生懸命ガマンする。
これ、喉まで突き当たっちゃってるよ。
すっごい、気持ちいいよぅ。
そんな少年の努力も知らぬげに、アスランは、ぬる、と引き出したその先端を、舌先で包みながら、ちらりとシンを見上げた。
たっぷりと濡れた緑の瞳が瞬いて、それから、艶やかに細められた。
笑ってる。
わかってる。
シンが、気持ちいいのわかってるんだ。
くちゅ、と、淫らな音を立てて、また、深く含まれる。
こういう時、アスランは手だって休まない。
しなやかな指先が、含んでいるものの左右の膨らみを、交互にやさしく撫でてくれていて。
それがもう、ホントにホントに気持ちよくて。
「・・・・ア、スランさん、も、う」
「ん・・・っ」
シンがうめくと、アスランはぬーっ、っと裏側を舌で包みながら、引き出して。
最後に、ちゅ、と、先端にキスをしてくれた。
「もう、いいのか？」
こくこくと頷くと、アスランはそのまま、のしっとシンの上にまたがった。
「ア、アスランさん、まだ・・・」
「大丈夫だ」
自信満々にそう言い切ると、その言葉どおり、アスランは少し自分で弄っただけのそこを、さっきキスしたばかりのシンの先端をあてがって。
そのまま、ずるうり、と、一息に飲み込んでしまった。
「う、わ・・・っ」
熱くてきつい、アスランの中に、一息で飲まれてしまって。
シンは、それだけでイきそうになるのを、なんとかがんばってガマンした。
だってさ。
みんなみんなアスランさんにやってもらっているんだもの。
このくらいはがんばらなくちゃ。
アスランが腰を揺するのに合わせて、シンもせっせと動いてあげる。
アスランは、体の乗せ方も動き方も絶妙で、お互いすごく気持ちよくなれるんだけど。
それでも、できるだけ奥に届けてあげられるように。
できるだけ、気持ちよくなってもらえるように、自分だってなれるように。
俺だってがんばらなくちゃ。
「ふ、あ・・・っ」
熱く熟れたナカをきゅう、と締めて、アスランが仰け反ったのを合図に、シンは突き上げた勢いで体を持ち上げて、そのまま体勢を変えてアスランを下にした。
「あ・・・・ぅんっ」
とたん、長い脚がシンの腰にからみつく。
そのすべすべした感触もたまらなくって、しかもそれを掴んで押し上げた景色なんかもうイヤラシくってもう。
「シン、シン・・・っ」
ぐちゃぐちゃになったソコを、シンのもので、もっとぐちゃぐちゃにされながら。
アスランは、昼間とはぜんぜん違う顔で、あんあん喘ぐ。
初めて会った人なんか、きっと想像もつかないと思う。
このヒトが、こんなにイヤラシイなんて、さ。
他所事を一生懸命考えながら、なんとか引き延ばしていたシンに気がついてしまったのか、アスランがぐいぐいと腰を押しつけてきた。
シンのもので擦られて、爛れた襞が、絡みついて、締め上げる。
それ、やばいってばアスランさん。
淫らな色に彩られた、確信犯の微笑みを見下ろしながら。
シンは、奥を濡らされるのが大好きなアスランのために、一生懸命突き上げた。
とってもとっても、気持ちよかった。
ふわふわの泡が、スポンジからこぼれて、シンの胸にこぼれかかって止まる。
すぐにそれを追うように、泡をまとったアスランの手のひらが、シンの胸を滑って降りて。
スポンジは、ゆるゆると螺旋を描くように、背中を擦りながら降りていって。
アスランに洗ってもらっていると、シンはもう、夢見心地になってまう。
それくらい、気持ちがいいのだ。
「・・・元気だな」
「ーーーーっ！」
背中を洗っていたスポンジと、泡をまとって胸を這っていた手のひらが、同時にアスランの視線の先に落ちていく。
そこは、シンの足の間だ。
「だって、すごく気持ちよくて・・・・」
正直に言うと、少し泡のついたほっぺたを寄せて、ちゅ、とキスをしてくれた。
密着した肌が気持ちいい。
石鹸の泡で、ぬるぬる滑る肌が、たまらない。
やばい、本気で勃ってきた。
「俺も、欲しいかな」
呟いたアスランは、泡のついた指先を、艶めいた唇に添えている。
なにをされるかわかったシンは、それでもざっぱりとお湯をかけられて、泡を流したソコに、その唇が寄せられていくのを、ただただ、見守っていた。
アスランは、シンのを咥えるのが好き。
シンのを飲むのが、大好き。
でも、変身しちゃったアスランにも、可愛いトコロがあってさ。
ごくん、とシンのものを飲み込んだ後、ごちそうさま、と白いもののついたままの唇で囁いて。
それからアスランは、伸び上がってキスをした。
アスランさん、終わった後のキスが、ものすごく、好きなんだ。
シンの恋人は、変身しちゃうのだ。
夜は、違う人になっちゃうのだ。
誰にも言えない、シンだけの、アスランのヒミツ。
・・・ええっと、今は。たぶん。
でもさ。
ひとつだけ、お願いがあるんだ。
「ねえ、アスランさん」
「・・・・ん？」
夜のしじま、変えたばかりのシーツの上で、とろんとした瞳に、でもどこか、獰猛な美しさを隠して。
そうして見上げてきたアスランに、シンは慌てて首を振り、買って上げたばかりのウサギのぬいぐるみを、意味もなく撫でたりなんかした。
「ええっと・・・なんでもないです」
言いかけてから何かをごまかしたシンが不満だったのだろう、むう、と、少しとがった赤い唇。
それで。
俺の、飲み干した口で、そのままさ。
キスするのはちょっと・・・と思ったけど。
言ったら殴られるような気がしたから、やっぱり、言わないでおいた。