愛してる
愛してる、ってどういうことなんだろう。
組み敷いたアスランを見て、シンは思う。
「・・・どうした？シン」
アスランは、へこりと首を傾げて。
それから、さらりとシンの頭を撫でた。
「その気にならないなら、今日はやめるか？」
「そんなワケないでしょう！」
シンは慌てた。
「コレ！コレ見てくださいよ！めちゃくちゃその気です！！」
「・・・ああ、うん」
ずり下ろされた下着から、立派にはみ出したものを見て、アスランはこくりと頷いて。
「でも、その割にはいつもよりこう・・・・」
しかし、いつもとどう違うのか説明ができないらしく、その後の言葉はもごもごと不明瞭だ。
まったくもう。
アスランさんのくせに、ヒトの顔色なんか見るなよ。
たいがいに酷い、しかし的を得たことを思い、シンは露わにした腰を撫でながら、胸の赤みにちゅ、ちゅっとキスをした。
「今日はどうやって泣かせてやろうかって考えてただけです」
「泣いてなんか、っ、いないだろ」
「嘘ばっかり」
いっつも、最後にはあんあんいって、泣きながらシンの名前を呼ぶくせに。
その様子を思い出すと、また、そこに血が集まってくるのがわかる。
でもさ。
コレ、生理現象だろ。
アスランさんエロいから、俺、感じてるだけだろ？
顔を上げる。
ほんのりピンクに染まった頬にも、キスをする。
「・・・シン」
やわらかく、名前を呼んでくれた、唇にも。
舌を入れて、いっぱい舐めて。
それだけで、ゆるゆると揺れた腰を、膝でぐいぐい抑えて。
「ほんと、エロいよな、アンタ」
離した口でそう言うと、べちんと頬を叩かれる。
気持ちいいくらいの痛さ。
それでもシンは、むうっと口をとがらせて。
「何すんですか」
そうして、ぐい、とアスランの腿を掴んで。
たまらなく肌触りの良いそれを、ぐいぐいと開かせて。
それから。
側に放り出してあったローションの瓶を開け、だらりとその間にたらした。
「っあ」
唐突にもたらされた冷たさに、アスランの体がびくんと跳ねる。
「このどこがエロくないって・・・・」
つぶやくと、今度はべちべちと頭を叩かれた。
「だから、そういうこと言うな」
「だって」
シンが、何か言う間もあればこそ。
「だってじゃない」
ぐい、と腹筋で起きあがったアスランは、そのまま、がぷりと何かを言いかけたシンの唇に、キスをした。
「・・・ハイ」
つ、と糸を引いて離れた、アスランの赤い唇。
それを見ながら、シンがこくんこくんと頷くと、アスランは満足したように笑って。
そうしてそのまま、ぱたんとまた横になった。
シンの前に、思い切り脚を開いて。
その場所を、まるごとさらしたままで。
・・・うう、なんて可愛くってエロいんだこの人。
言ったら、今度は可愛いキスじゃ済まされない。
それがわかっているから、言わないけれど。
だからシンは、丁寧にていねいにそこに触れた。
ローションの滑りを借りて指を入れれば、ねっとりと絡みついてくるナカ。
「・・・・ん」
漏れてくる、甘い吐息。
ほんっと、エロい体。
「アスランさん、もう、いい？」
聞くと、長い腕が伸ばされて。
するりとシンの首に絡みつく。
「・・・・ああ」
答えの声は、甘くて。
鼻腔をくすぐる、汗の匂いも甘くて。
アスランは、せんぶが甘くて、あまくて。
その甘さに、少年は溺れた。
「ねえ、アスランさん」
シた後に、こうしてベッドで伸びているアスランは、とっても可愛い。
いつも無駄に背筋を伸ばしている人を、自分がこうさせたのだと思うと本当に、凄く、可愛い。
その可愛い人に、シンは聞いてみた。
「俺のこと、愛してる？」
「・・・・」
アスランは、何も答えなかった。
ただ、火のつきそうな勢いで、赤くなった。
たぶん、答えられなかったのだと、シンにもわかった。
「っ、え、あ、う・・・・？」
意味不明の言葉ともつかない音を洩らしながら、わたわたと、慌てながら。
それでも、視線だけは、シンから外さずに。
一生懸命、応えようとしているアスランを見ながら。
シンは思った。
・・・ああ、たぶん。
たぶん、愛してるって、こういうことなんだ。
「あのっ、そのっ、な」
この人を、見れば見るほどあふれてくる。
思えば思うほど、あふれてくるもの。
「あ・・・」
それでも、意を決したように口を開いたアスランに、先を越されるのが急に、癪になって。
「愛してます、アスランさん」
言ってみたら、アスランはもっと赤くなった。
やっぱりとっても、可愛かった。